フィレンツェだより |
プッチーニ・ヴィラ博物館 トッレ・デル・ラーゴ |
§トッレ・デル・ラーゴ
幸運なことに車でそこに連れて行っていただいた.ルッカで生まれた偉大なオペラ作曲家ジャーコモ・プッチーニのヴィラと墓所があるところだ. オペラが好きでプッチーニが嫌いという人は珍しいだろう.聴きやすい,わかりやすい,それでいて他に誰も書けないような美しい旋律を紡ぎ出す,天才という言葉はこの人のためにある,というような芸術家だ. 日本でも「蝶々夫人」はもちろんのこと,「ラ・ボエーム」,「マノン・レスコー」,「トスカ」,「トゥーランドット」がよく上演され,人気があるし,他にも「西部の娘」,「ラ・ロンディーネ」,「三部作」もCD,DVDで鑑賞される. その彼が,生まれ故郷近くのこの地にヴィラを購入し,そこで作曲もし,墓もあるとなれば,クラシック音楽を愛する全ての人が訪れてみたいスポットだろう.
![]() 未完のまま遺作となった「トゥーランドット」の乱れた筆致の楽譜,その作品を補筆したアルファーニの写真と手紙,死に際して書いた妻エルヴィラへのメモなど,心揺さぶられる品々もあった. 庭も良かった.大きなアジサイが美しく咲いているのが印象的だった. ヴィラの前にある湖の船着き場には,遊覧船が停泊していた.この遊覧船にピンカートンという名前がつけられていたので,「帰ってこなかったどうしよう」という冗談が出て,皆で笑いあった.
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![]() 湖の近くの店で,トッレ・デル・ラーゴ(湖の塔)と彼の彫像を使ったマグネット付きの焼物を見つけた.記念に購入.湖水(マッサチュッコリ湖)の動植物を解説した小冊子と一緒で,5.8ユーロだった.
エノテカのお披露目 右下の写真は,寓居近くにある中央市場(メルカート・チェントラーレ)だ.普段飲むワインはここの1階にある「エノテカ・ロンバルディ」で買っているが,この日,そのエノテカが市場内にもう一つ新しい店舗を出す,お披露目の招待状をいただいていた.ヴィアレッジョからの帰りが思っていたよりも早かったので,フィレンツェに戻ってきた足で,そのまま中央市場に行ってみた.
1階の中央付近にある新店舗は既に大盛況で,多くの人で賑わっていた.いつもワインの相談に乗っていただいている方が私たちを見つけ,声をかけてくれて,上等のワインを振舞って下さった.チーズやソーセージなどもおいしかったので,サラミを少し買い,ご祝儀代りに,テイスティングをしておいしかった赤ワインと,先日すすめていただいて,知人へのお土産にした白ワインを今度は自分たち用に購入した. わが家には,結婚記念日に飲もうということで,同店で勧められて購入した,私たちとしては大変な贅沢である50ユーロのワインも含めて2本が既にストックしてあったが,これで4本の買い置きができた. ![]() |
わが家の ささやかなワインストック |
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