『アエネイス』講読 (第1巻361-364行) |
(テクスト)
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(語彙) 361行 (テクストへ) conveniunt:第4活用動詞convenio, convenire, conveni, vonventum「集まる,参集する」の直説法・能動相・現在・3人称・複数.主語は次の関係代名詞の明示されていない先行詞(先行詞が代名詞の場合は省略して良い)「(関係代名詞以下で説明されるような)人々,彼ら」 quibus:関係代名詞qui, quae, quodの男性・複数・与格.「利害の与格」とも「所有の与格」とも取れる.「彼らに恐怖や不安があった」→「彼らは恐怖や不安を抱いていた」 aut:接続詞「〜か,あるいは」 odium:第2変化・中性名詞odi-um, -i, n.「憎しみ,憎悪,嫌悪」の単数・主格 crudele:第3変化・形容詞crudel-is, -e「残酷な」の中性・単数・主格 tyranni:第2変化・男性名詞tyrann-us, -i, m.「専制君主,暴君」(ギリシア語では元来「暴君」ではなく,民衆の支持を得て非合法な手段で政権の座についた君主「僭主」を意味するが,ラテン語では英語のtyrantの意味に近いと考えて良い)の単数・属格 |
362行 (テクストへ) aut:接続詞「〜か,あるいは」 metus:第4変化・男性名詞met-us, -us, m.「恐怖,心配」の単数・主格 acer:第3変化形容詞acer, acris, acre「鋭い,速い,激しい」の男性・単数・主格 erat:不規則動詞sum, esse, fui, (futurus)「〜である,〜がある,いる」の直説法・能動相・未完了過去・3人称・単数 navis:第3変化・女性名詞nav-is, -is, f.「船」の複数・対格(=naves) quae:関係代名詞qui, quae, quodの女性・複数・主格 forte:副詞「たまたま,偶然」 paratae:第1活用動詞par-o, -are, -avi, -atum「用意する,準備する」の完了分詞・女性・複数・主格.ここではおそらく省略されているeratとともに受動相の過去完了を構成 |
363行 (テクストへ) corripiunt:第3活用第2形動詞corripio, corripere, corripui, correptum「奪う,つかみ取る」の直説法・能動相・現在・3人称・複数 onerantque:第1活用動詞oner-o, -are, -avi, -atum「(対格を奪格で)重くする,(対格に奪格を)積み込む」の直説法・能動相・現在・3人称・複数+接続詞-que「〜と,そして」 auro:第2変化・中性名詞aur-um, -i, n.「黄金」の単数・奪格 portantur:第1活用動詞port-o, -are, -avi, -atum「運ぶ」の直説法・受動相・現在・3人称・複数 avari:第1・第2変化形容詞avar-us, -a, -um「貪欲な」の男性・単数・属格 |
364行 (テクストへ) Pygmalionis:第3変化・男性名詞Pygmalion (Pygmalio), Pygmalionis, m.「(テュルスの王でディドーの兄)ピュグマリオン(ピュグマリオー/Gk.ピュグマリオーン)の単数・属格 opes:第3変化・女性名詞ops, opis, f.「力,援助,(複数で)財産,富」の複数・主格 pelago:第2変化・中性名詞(単数・主格が-usで終わるのに中性の名詞は珍しいが,少数ながら存在する.他にはvulgus「民衆,大衆」,viurs「毒」などがあるが,この場合複数はないと考えて良く,単数の呼格と対格が「中性の原則」に従って主格と同じ-usで終わる形であるのが男性名詞と異なる点であるのに気をつければよい)pelag-us, -i, n.「海」の単数・奪格(前置詞無しの詩的用法による「場所の奪格」で「海で」と考える.日本語的には与格と考え「海に」と考えたい所だが,その可能性も全くは否定できない) dux:第3変化・男性名詞dux, ducis, m.「指導者,将軍」の単数・主格.ここでは主語「女」の主格補語 facti:第2変化・中性名詞fact-um, -i, n.「行為,行動」の単数・属格 femina:第1変化・女性名詞femin-a, -ae, f.「女性」の単数・主格.ディドーを指す |
(試訳)
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